MLCCだけではなかった ― 市場調査で見えてきた新たな可能性
2026/06/04
前回は、中国メーカーの日本進出支援で最初に行った市場調査や資料整備についてご紹介しました。
今回お話しするのは、当初MLCC用途を想定していた製品が、なぜ接着剤や塗料用途にも展開することになったのかという点です。
今回のプロジェクトは、もともとMLCC(積層セラミックコンデンサ)向け用途を中心に検討していました。
MLCCはスマートフォンや自動車、産業機器などに使用される重要な電子部品です。
一方で、材料に求められる品質要求は非常に高く、わずかな数値の違いが評価結果に影響する世界でもあります。
市場調査やデータ確認を進める中で見えてきたのは、MLCC用途への展開には品質改善と継続的な検証が必要だという現実でした。
もちろん改善は可能です。
しかし、改善が完了するまで市場開拓を止める必要はありません。
そこで改めてPVB樹脂の用途を調査したところ、
・接着剤
・塗料
・工業用バインダー
など、幅広い分野で利用されていることが分かりました。
つまり、
「MLCCを目指しながら、現在の製品特性を活かせる市場も開拓する」
という選択肢が見えてきたのです。
実際に展示会や企業調査を進める中でも、接着剤や塗料用途に関心を示す企業が見つかり始めました。
これはMLCC用途を諦めたという話ではありません。
むしろ、品質改善を進めながら市場との接点を作るための現実的な戦略です。
市場調査をしていると、「売りたい用途」と「売れる用途」が必ずしも一致しないことがあります。
今回の案件は、そのことを改めて実感する機会となりました。
日本市場への進出では、目標を持ちながらも、市場の声を聞き、柔軟に方向性を調整していくことが重要なのだと感じています。
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