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「話が決まってから連絡」は遅すぎる──中国ビジネスの現場感覚

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「話が決まってから連絡」は遅すぎる──中国ビジネスの現場感覚

「話が決まってから連絡」は遅すぎる──中国ビジネスの現場感覚

2025/08/08

中国から「〇〇してくれる日本企業を探してほしい」「うちと取引してくれる会社を知らないか」という連絡が、定期的に届く。
内容は一見するとシンプルだが、詳しく聞いてみると、ほとんどの場合、何も決まっていない。

要件はふわっとしていて、納期も価格も、ビジネスモデルすら曖昧。
「とにかく日本企業を紹介してほしい」という、“なんとなく”のテンションで連絡してくるケースが大半だ。

しかし、これは中国では決して珍しいことではない。
むしろ、ごく一般的なアプローチである。

 

 

「提案書をください」は、日本側がはまりがちな落とし穴

 

このフェーズで日本企業に話を持っていくと、たいていこう返ってくる。
「ちゃんとした提案書をください」

確かに、依頼すれば手に入る。きれいで丁寧な、説得力のある提案書。
でも、私は知っている。
それが十中八九、役に立たないことを。

 

 

なぜなら、中国では「提案書の通りに進む」ことはほとんどないからだ。

 

・相手のニーズが変わる
・上層部の判断が変わる
・話が途中で白紙に戻る

しかも、その変化に対して「この前と話が違う」と指摘することには意味がない。
彼らにとっては「その時点の最適」を選び直しているだけだからだ。

私は今では、あえてこう言うようにしている。
「今は“仮案”で十分。本当に必要になるのは、相手が“やる”と決めてからです。」

 

 

納期は「ずれる前提」で考える

 

納期に関しても同じことが言える。
半年遅れで済めば優秀。1年はバッファとして見ておくべき。

これが、中国で取引をするうえでのリアルな感覚だ。
納期は「約束された期限」ではなく、「まず最初に出しておく目安」にすぎない。

私も最初は、日本的な感覚で「いつ仕上がるか」を確認し続けていたが、途中で気づいた。
「これは、私がコントロールできる領域ではない」

以来、私は納期を「公式納期+半年」で考え、
それでも進まなければ会社間の賠償交渉の話になると割り切っている。
そうしなければ、身が持たないからだ。

 

 

文化の違いは“前提”として説明する

 

だから私は、中国のやり方をきちんと説明することを最も大切にしている。

・日本とは段取りや意味づけが違う
・納期・仕様・価格、すべてが途中で変わる可能性がある
・提案書は“対話の入口”にすぎず、ゴールではない

こうした前提をご理解いただける企業様、またすでに経験値のある企業様に対してのみ、私たちは一緒に交渉を進める。

なぜなら、その先には、
日本の何倍もの購買者がいる巨大市場が待っているから。

 

 

結論:正解は「形式」ではなく「結果」

 

日本的な仕事の進め方は丁寧だ。信頼を重視し、段取りを整え、礼儀を尽くす。
だが、それが“正解”ではない。

中国での正解はただひとつ。
結果が出ること。それだけが、意味を持つ。

書類の完成度でも、プロセスの美しさでもなく、
「それで成果が出るのか?」が、すべての基準になる。

だから私は今日もまた、日本的な常識を噛み砕きながら、
中国の現実と日本企業とのあいだを翻訳し続けている。

 

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