日本と中華圏の「企画書をめぐる文化の違い」
2025/08/24
私は仕事の中で、日本の企業と中華圏の企業の間に立つことがよくあります。
そのたびに強く感じるのが、「企画書・計画書」に対する考え方の違いです。
日本側:企画書を軸に物事を進める
日本では、まず きっちりとした企画書や計画書 を作るところから始まります。
そして、その企画書をベースにして大きく逸れることなく物事を進めるのが基本。
必要に応じて、企画書をカスタマイズ(修正・追加)しながら、最初に描いた枠組みを軸として物事を運んでいきます。
企画書は「安心感を与える道しるべ」として大きな意味を持ちます。
中国側:企画書よりも「興味確認」が先
一方で中国の企業は、最初にYes/Noの最終判断を迫るわけではありません。
彼らが知りたいのは、「興味があるかどうか」 です。
関心があるとわかれば、その後に条件を詰めていき、最終段階で合意できなければ話は流れます。
潔く、柔軟に、というのが彼らのスタイルです。
なぜ中国では企画書が“無駄”になるのか
中国側が企画書や計画書を作りたがらないのは、決して準備不足ではなく合理的な判断です。
◾️常識が一夜で変わるスピード
中国では「昨日までの常識が今日には通用しない」ことが頻繁に起こります。
それは市場や競合の動きに限らず、国家の法律やシステムも同様です。
日本のように告知や猶予期間を経て変更されるのではなく、ある日突然ルールが変わり、その日から新制度が適用されることも珍しくありません。
◾️交渉の内容がどんどん変わる
投資規模や協力範囲といった条件は、交渉が進むにつれて大きく動きます。
そのため、最初に作った企画書は進行の途中で現実と乖離し、無用の長物となってしまうのです。
◾️スピードと柔軟性を優先する文化
精密な企画書を作ることに時間をかけるより、まず「興味があるか」を確認して先に動く。
変化が速い環境に合わせ、柔軟に対応できる状態を保つことが重視されます。
板挟みになる現場
私はよくこの違いの板挟みに立たされます。
中国側からは「関心があるかどうかだけ早く知りたい」と言われ、
日本側からは「企画書や投資規模がなければ答えられない」と返ってくる。
どちらの理屈も正しいからこそ、調整が難しいのです。
日本側へのお願い
ここで日本側の企業にまずお伝えしたいのは、打診があった時点では「決まり」ではないということです。
ただ「興味があればお話を聞いていただきたい」。
決まるかどうかわからない話を聞いたり、交渉をすることを無駄だと思う方もいるでしょう。
けれど、その交渉がまとまった先には、日本国内の何倍という市場が開かれるチャンスがあります。
そこを天秤にかけていただけると幸いです。
まとめ
日本:企画書を軸に進め、安心感と一貫性を重視
中国:企画書は二の次。興味確認から始め、状況に合わせて柔軟に進める
背景には「常識が一夜で変わる」スピードと、突然変わる国家システムや法律の存在がある
この違いを理解し、まずは「話を聞いてみる」姿勢を持つことが、次の大きなビジネスの扉を開くきっかけになると私は考えています。
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