中国での「買ってきてリスト」と断る技術
2025/08/17
中国に滞在していた頃、日本に一時帰国するたびに周囲からいろいろ頼まれました。
日本人の感覚だと「お土産をお願いされる」と思いがちですが、実際には「代金を払うから買ってきてほしい物リスト」を渡される感覚に近いものでした。
リクエストは広がっていく
「自分の欲しいもの」だけでは済まず、
「兄弟のお嫁さんが欲しい」
「親戚が欲しい」
といった依頼まで飛んでくるようになりました。そこまで応じていたら、100人近くの分を背負うことになります。
そこで私は、
「あなたのお願いは聞きますが、あなたの親戚は私は知りません」
と伝えて断っていました。幸い、中国では断っても後腐れは少なく、「ああそうか」とあっさり引き下がってくれるのです。
ただ、一人500グラムの品でも20人分なら10キロを超えます。実際、上海の空港で荷物を運んでいて腰を痛めてしまい、最終的には会社から「日本へ帰る社員に買い物を頼むのは禁止」という通達が出ました。
処方箋薬という難題
さらに厄介だったのは処方箋薬を頼まれることでした。痛風など生活習慣病の薬を「買ってきてほしい」と言われるのですが、日本では医師の診察と処方が必要で、飲み合わせや副作用のリスクもあります。
日本の感覚では「処方箋薬=医師の判断があって初めて入手できるもの」であり、個人が勝手に渡すのは危険で、倫理的にも許されません。
ところが中国では「頼めば何とかなる」「ついでにお願いしてみよう」という感覚が強く、断っても「じゃあ次回はどうだろう」と再び持ちかけられるのです。
私は毎回、
「私は健康だから病院に行っても処方箋は出ない」
「3日しかない帰国の1日を、病院に費やすわけにはいかない」
「薬の飲み合わせに関して私は責任は持てないし、問題が起きた時に自分自身を責めるから要求は飲めない」
と説明しました。理解というより「今回は無理か」と受け止めてもらう形です。
感覚の違いをどう扱うか
断ること自体は苦労ではありませんが、とにかく面倒でした。
そして、この「繰り返し頼んでみる」という感覚は、ビジネスの場でも同じように現れます。
日本では「一度断られたら諦める」のが一般的ですが、中国では「ダメ元でもう一度」が自然な行動。
だからこそ苛立つのではなく「文化の違い」として受け止め、その上で どう対処するかを冷静に考えること が、交渉を進めるうえで欠かせないのだと学びました。
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