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中国でPDCAサイクルを無理やり使おうとした私の失敗

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中国でPDCAサイクルを無理やり使おうとした私の失敗

中国でPDCAサイクルを無理やり使おうとした私の失敗

2025/08/12

――そして気づいた「日本式と中国式の間で進める」という答え

日本で長く営業やマネジメントを経験し、プロジェクト進行の軸として身につけてきたPDCAサイクル(Plan・Do・Check・Act)。
中国での仕事を始めたときも、この手法を当然のように武器にしようとしました。
しかし、現実は――計画がことごとく崩れ、疲弊する日々。
その中で見えてきたのは、「日本式か中国式か」という二択ではなく、その中間でバランスを取る道でした。

 

 


 

日本式:計画から始まる安心感

 

日本のプロジェクトは、まず綿密な計画ありき。
計画:実行:修正:再始動の割合は5:3:1:1ほどで、基本設計がしっかりしているため全員が共通認識を持ち、無駄の少ない進行が可能になります。
計画から外れれば微調整し、それでも不可能なら初めて根本から作り直す――これが基本の姿勢です。

 


 

中国式:動きながら大きく変える

 

対照的に、中国の現場は0:1:8:1の感覚。
計画らしい計画はほとんどなく、見切り発車で動き、状況が変われば方向転換や作り直しをためらいません。
目的は「プロジェクト成功」ではなく、あくまで「利益の最大化」。
利益が出れば、それは顧客満足や社会貢献の証拠だという価値観です。


 

私の大失敗:董事長家族の日本旅行手配

 

中国企業の董事長家族が日本旅行に行くことになり、私が手配を担当しました。
日本式の感覚で、完璧な旅行計画を作り込もうとしたのです。

ところが――

◾️日程は直前まで決まらない(何が起こるかわからない前提)

◾️ホテルが満室でも別のホテルでOK(こだわりが薄い)

◾️候補を出しても即決しない(調べ疲れで翌日に回す)

◾️到着後に人気店の予約依頼(行ければラッキー程度の感覚)

◾️帰国便をキャンセルして延泊(生活や仕事に支障なし)

◾️延泊日数は「気分次第」(今中国にいなくても困らない)

私は彼らが戻るまで常にアイドリング状態で、何かあれば即対応できるよう身構えていました。
しかし、中国人スタッフは違います。
手配時は全力で集中し、終われば完全にスイッチを切る。再び依頼があればまたエンジンをかける――この繰り返しです。
結果、私は疲弊し、彼らは平然としていました。

 


 

交渉の現場で大切にしたこと:「お互いの譲歩」

 

私の仕事は、単なる通訳や調整ではなく、日本企業(個人)と中国企業を結びつけ、交渉し、契約に結びつけること。
そこでは、日本式・中国式どちらかに偏っては成立しません。

私が常に心がけていたのは、お互いの譲歩です。

 譲れないポイントはお互いに明確化

 相手の譲れない部分はできる限り尊重

 どうしても譲れない同士の衝突は、「どこまで譲歩できるか」を最後まで詰める

この「譲り合い」は、日本式の丁寧さと中国式のスピード感を両立させるために不可欠でした。
一方が完全勝利する交渉は、必ず後で関係にひびが入ります。
橋渡し役として、両者が納得できる落とし所を作ることが私の最重要任務でした。

 


 

学んだこと

 

中国では、計画を守るために動くのではなく、利益や状況に合わせて形を変え続けることが当たり前。
日本では、計画に沿って無駄なく進めることが信頼や成果に直結する。
どちらも間違いではなく、それぞれの環境に合ったやり方なのです。

そして、文化も価値観も異なる二つの世界をつなぐためには、

型ではなく、場に合った進め方と交渉術
これが何より重要である。

中国での数年は、まさにそれを学び、体得した時間でした。

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