白い看板を製作してクビになる

私が中国で働いていた時のこと。

 

私は不動産会社が母体のホールディングスに在籍いました。子会社が6〜7あったと思います。

私はどこの子会社でも呼ばれれば、依頼を受けて仕事をしていましたが、一応、籍は子会社のホテルと農園にあり、オフィスはホテルに準備してもらっていました。

 

親会社の会議はホテルの会議室で行われることが多く、その日も大会議室で親会社の会議が行われており、会議終了後にザワザワしていましたので、何があったか聞いてみたところ、宣伝広告部の社員が3人クビになったとのことでした。

 

理由を聞いたところ、新しく売り出すマンションの看板を白色を基調として作成し、幹線道路沿いなどに出したところ、看板を見た近隣住民の方より苦情が殺到したそうです。

 

「なんで？」

「白だからです」

「白の何が悪いの？」

「白は葬式の色です」

「・・・・・」

 

中国人にとって、色は日本人が感じるよりシュチュエーションを象徴するようです。確かに春節は街中真っ赤です。確かに、日本でも葬儀の際は白と黒が使われますが、結婚式だってそうだし、白を基調とした看板はよく目にします。

 

仕事で日本に庭木を買いに来た中国人をアテンドした際も、白い花がつく見事な樹を進めたところ、「白い花は葬式の花だから」といって、嫌厭されました。

 

手続きなどは決まった書類を集めて、必要情報を書き入れていくという作業ですが、手続き代行だけではこのような事態に対応してはいただけません。文化的な慣習を逐一確認しながら、現地に合わせていく、といった作業が海外進出には必要になってきます。

 

私たちは、ご依頼に寄り添った形でコンサルティングを進めてまいります。