お茶を販売しようと思った動機

中国で働き始めて、驚いたことは、いつでもどこでもお茶が出てくることでした。

ガラス製の細長いグラスが会議のたびに各々準備され、グラスに直接茶葉が入れられています。茶葉は日本茶のように細かくカットされていないので、直接お湯を注いで飲んでも口には入ってきません。そして、飲み進めると。。。容赦なくお湯を足されます。会議も佳境に入る頃には、お腹はパンパン、会議が終わると、皆トイレに駆け込んでいました。

その時のお茶は緑茶が多かったのですが、日本と違い、蒸さずに炒るため、香ばしく、渋みよりも甘味を強く感じるお茶でした。日本茶と比較して渋みと苦味が少ないので、最初は物足りなかったのですが、1週間ほどで、すっかり虜になりました。

お偉いさんや来客時はプーアール茶が多かったですね。時期によっては上等の龍井茶などを茶盤が埋め込みになった茶卓の前に主人が座り、各々に振る舞うスタイルなど様々。社内に日本人がひとりだったこともあり、「どうだい？中国茶は美味しいだろう？」と言わんばかりに、様々なお茶を振る舞っていただきました。お茶を囲むことで、リラックスでき会話も弾みます。時にはお茶の話題で盛り上がることもあり、お茶室で商談や談笑をすることは楽しみのひとつでした。

特に、お茶は好きではあったのですが、たまに酸味を感じることがあり、紅茶は好んで飲まなかったのですが、中国で紅茶をいただいてから、その下の奥で感じる甘みにすっかり魅了され、今では紅茶派となっております。日本に戻ってからも定期的に送ってもらっておりました。

しかしながら、日本に戻ってから、なかなかゆったりとお茶を飲むことも減り、忙しない日常を過ごしている中で、出張中の台湾でお茶をいただいた時に中国のことが思い出され、心からリラックスできたことを覚えています。

沢山販売して、ガッポリ儲けよう、というつもりはなく、少量の仕入れですが、私たちが美味しいと納得したお茶で、しばしの間「うっとり」していただけますと幸いです。